もりぐち清水会病院は、回復期リハビリテーション病棟(2病棟 105床)を中心に、急性期から回復期そして生活期(維持期)までリハビリテーションを必要とする患者様の連続的で切れ目のない支援を行います。回復期リハビリテーション病棟では、脳血管疾患または大腿骨頚部骨折などの病気や怪我の急性期の治療を終えても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者様に対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会に戻っていくことを目的としています。
80名を超える療法士、リハ看護の経験豊富な看護師、社会福祉士、管理栄養士を含めた多職種チームが連携して、患者様が円滑に社会復帰できることを目指しています。
リハビリ訓練は1日最大3時間、365日提供できる体制を整えています。更にリハビリ訓練だけでなく、起床時から就寝時までの間、食事や栄養管理、更衣、整容、排せつなど日常的な動作も含めた生活そのものをリハビリととらえた多職種チームからの支援が受けられることや夜間の排泄時の補助なども含めた、24時間の手厚い看護が大きな特徴です。
加えて、安心してご自宅に帰れるよう、退院前に患者さんと一緒にご自宅へ伺い、家屋の改修、福祉機器導入の調査や自宅の状態に合わせた今後のリハビリ訓練の見極めなどを行う訪問指導。また、退院後に使える介護保険申請のお手伝いや各種サービスの調整など、在宅への復帰に向けてさまざまな取り組みを行っています。
リハビリテーション室
職種紹介
病棟一体型リハビリテーション
病棟すべてに「リハビリテーションエリア」を設置
もりぐち清水会病院では、各階病棟一体型リハビリテーション室を設けています。病棟とリハビリテーション室を併設し、リハビリと入院生活をひとつのくくりとして過ごすことで、退院後の日常生活を想定した訓練・援助に繋がります。また、医師・看護師・リハビリを担当する療法士などが同じ病棟内に居る環境の中で、患者さまとのコミュニケーションのばらつきを少なくし、日常生活の様々な場面で日々の変化を密に共有しやすくなります。共有した情報は患者さまに、それぞれの専門的視点から、しっかりと還元させていただくことで早期回復・退院にも繋がります。
患者さまは、同一フロアで多職種による充実した援助体制の中で入院生活を送ることができるため、安心してリハビリ訓練に専念できます。加えて、病棟一体型リハビリテーション室は患者さま・医療従事者のみならず、入院生活を援助するご家族さまにとっても安心できる環境です。ご家族さまやお見舞いに来られた方がリハビリ訓練を見学しやすく、リハビリの経過を見ることで安心できたり、退院後の生活についてより具体的に質問や相談ができたりします。さらに生活の一部としてリハビリが組み込まれていますので、退院後の日常生活の過ごし方や介助方法も実際に見て知ることができます。
設備紹介
CURARA
歩行アシストロボットです。軽量かつ装着が簡単で、スマートフォンを用いて操作を行います。アシスト量も自由に変更でき、歩行評価も可能です。自然なアシストが行えるため、歩行スピードの改善や左右の非対称性の改善が期待できます。
リハまる
ゴーグル越しにCGのトレーニングメニューを現実世界に投影することにより、ゲーム感覚で楽しみながら注意力、記憶力、空間認知力などを高めることができます。
パブロ
上肢手の機能向上を図ります。ゲーム感覚で画面上の対象をさま々な形状のコントローラーで操作することで、無意識に方向や範囲や力といった運動のコントロール、両手の協調性、体幹のバランスコントロールが学習されます。
舌圧測定器
口腔機能検査で用い、舌の力を定量的評価することによって舌機能の低下を把握しています。舌を動かす・押しつぶす・ゆるめるなどの舌の運動機能を鍛え、口腔機能の向上を行うことで食べる働きにも効果が期待できます。
バイタルスティムプラス
電気療法機器で、飲み込みに関与する喉の筋肉に低周波刺激を送り、筋肉の再教育を助けます。飲み込む力を強めることで食べる安全性を高め、食べる楽しみを支援します。飲み込む力を強めることで食べる安全性を高め、食べる楽しみを支援します。
IVES(アイビス)
脳血管疾患や運動器疾患で麻痺したり動きが悪くなった筋に対して電気刺激を用いて運動機能を改善するために有効です。
In Body
体の水分・タンパク質・ミネラル・体脂肪を定量的に分析し、栄養状態に問題がないか、体がむくんでいないか、身体はバランスよく改善しているかなど、人体成分の過不足を評価し、リハビリの効果確認や栄養管理などに使用します。
まずはお気軽にお問い合わせください
平日の朝9時から5時まで、まずはお気軽にお電話でお問い合わせください。もちろんもりぐち清水会病院の窓口で直接問い合わせていただいても結構です。
じっくりお話をお聴きします
ケアマネジャーが訪問し、本人さま、家族さまのお話をしっかりお聞きし、必要であれば介護保険の申請からおこない、適切な介護サービスの利用を提案します。
ケアプランを作成します
担当ケアマネジャーが、利用者さまの自立に向けたケアプランを作成し、本人さまおよびサービス事業者に交付します。
各種介護保険サービスのご利用が始まります
ケアマネジャーが訪問し、本人さま、家族さまのお話をしっかりお聞きし、必要であれば介護保険の申請からおこない、適切な介護サービスの利用を提案します。
職種紹介
理学療法士(PT)
理学療法は、寝る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くといった基本的な動作の獲得を目的にしています。当院では、人間の身体構造に基づいた運動を追求し、リハビリを行っています。その一環として歩行アシストロボットを導入し、より幅広いニーズに応えられるようにリハビリを行っています。
作業療法士(OT)
作業とは、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人の日常生活に関わる全ての諸活動を言います。作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助です。私たち作業療法士は患者さまにとって目的や価値を持つ生活行為の向上を目指します。
退院後の生活を視野に人生視点を持った病棟生活への関わりや機能訓練に加え、先進機器を導入しより効果的な作業療法を展開しています。
言語聴覚士(ST)
言語聴覚士は、コミュニケーションに必要な「話す」「聞く」、食事に必要な「食べる」「飲み込む」を専門領域とします。日常に必要なコミュニケーションや食事に問題のある方々の社会復帰をお手伝いし、その人らしい生活ができるように支援することが役割です。うまく話せない、食事の時にむせてしまう、といった問題に対して、訓練、指導、助言、その他の援助を行います。その一環として当院では、「舌圧測定器(設備紹介へリンク)」や「バイタルスティムプラス(設備紹介へリンク)」を用いて機能改善に繋げています。
マトリクス型チーム医療体制により「業務と専門性の最適化」を実現
マトリックス組織とは、縦軸と横軸の二つの指揮命令系統を設け、二元的管理によって活動する組織です。
多職種がそれぞれに有する知識や技術といった専門性の向上と、それらを各病棟別に日常的な業務で活かされるような多職種協働体制が両輪となって質の高いサービスを提供できる組織を運用しています。多職種協働による高いコミュニケーションに基づき各職種の専門性が融合されていく結果、患者さまの状態をスピーディーに共有し、連携・補完しあい、患者さまの状況に的確に対応した医療を提供できるという点で、このマトリックス型組織は大きなメリットがあります。